松文生糸商店 本町

シルク
松文商店
生糸貿易商
本町4丁目65番地
店主、松村文四郎は生糸貿易の伊藤金兵衛商店での修業を経て、明治三十四年に南仲通四丁目で創業した、業務の拡大に伴い大正五年十二月に本町へ移転、故郷の福井県勝山町に最新式の器械を備えた「松文工場」を設立して輸出用羽二重の製造も手掛けた
横浜 手彩色写真絵葉書 図鑑


松村文四郎君 君は福井縣大野郡勝山町眞柄太四郎氏の三男にて天保十二年十一月を以て生る資性温良恭謙にして才幹あり十七歳にて同町松村家の養子となり呉服及び生絲業を營む明治二十七年三月横濱に來りて伊藤金兵衛氏の商店に入りて生絲業の練習を爲し明治三十四年獨立して松文商店を南仲通四丁目に開き大正五年十二月本町四丁目に移轉して業務の擴張を爲し生絲仲次業の組長に推さる君は又明治四十五年より郷里勝山町に羽二重工場を設けて松文工場と稱し新式器械百臺を備へ工女一百餘名を使用して大に輸出羽二重の製品を爲し海外貿易に盡瘁す君は敬神奉佛の念に厚くして本派本願寺を信仰して精神の修養に努め超然として脱俗せるを以て曾て他人と争ひたる事なく一に正義により人道を重んじ誠意を以て商業の秘訣を爲し居るを以て地方華客の信用極めて厚く又同業者に畏敬するところとなる君は長女ぶん子に市太郎氏を迎へて養子と爲し店務を總括せしむ現在の店員二十名あり業務は日々に盛大に趣き家運隆々たり長男文平氏は縣立第一中學校にあり孫正治氏静子嬢は本町小學校に在學中なり 横濱社会辞彙

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