神奈川縣案内誌 |
丸善薬舗 書店
薬種医療器械化粧品商
弁天通2丁目28番地
「弁天通二丁目南側東京に同店あり。和洋書籍備貼らざるなし。薬品は如何なる新薬にても取揃あり。家法痳病薬亦好評。」横浜遊覧商業案内
丸善書店 松下包次郎「故早矢仕有的氏は元蘭科醫なりしが、醫學を學ぶの方便として英書を研究し、慶應義塾に入りて福澤翁よりウェーランドの經濟書の講義を聽きて歸商の志を起し、横浜に來りしに元町邊の道具屋杯に西洋の古醫書のあるもの少なからず、氏は時には妻君の黑繻子の帶などを典じて之を購入し、東京に齎らして鬻きけるに未だ洋書に乏しき世の中とて意外の利を見たり、之れ實に我國文運の發達に多大の貢献を爲したる丸善書店の濫觴なり、下包次郎君は名古屋藩士松下平助氏の二男にして、文久二年八月を以て生る、明治十年分家して一家を創立し、丸善書店の號を讓り受け之を繼承す、我國著名の洋書店たるは今も昔も變ることなし、君現に橫濱商業會議所議員として名聲あり、」横濱成功名誉鑑
丸善藥店 鬼頭 良助「藥種及び醫療器械化粧品商として丸善藥店は斯業界に別箇の地步を占む、ゴノキューア、コールキユーアなど其賣る所の藥は普通内地製の賣藥と異なり、藥種化粧品とも總て舶來の優等品のみにて、醫療器械の如きも日進の新式に限れり、故に其顧客も醫家若くは外人に多く、一言に云へば高等藥店或は外國式藥店なり、されば店構へも硝子戸を作り、椅子テーブルを列らべ、硝子箱硝子戸棚に美麗に品物を飾り付け、薬局あり會計窓あり、秩序整然一絲紊れざるの慨あるを示す、店主鬼頭君齡正に不惑を越へ、業務に老熟し應酬は圓轉を極む、宜なり隆々たる商運の著しく刮目に價することや、蓋し橫濱に於ける最も進歩せる模範的商舖の一なるべし、」横濱成功名誉鑑
現代之横濱 |
横浜貿易新報 |
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