武蔵屋大関美術店 本町

神奈川縣案内誌
武蔵屋大美術店
貴金属美術工芸品製造販売業
本町4丁目66番地(834)
明治の横浜手彩色写真絵葉書

「横濱の開港したのは安政六年六月二日であって、と同時に開業したのは本店である。其頃本町二丁目と云った現在の場所が四丁目になって今日迄依然として位置を變へずに営業してゐる。蕞爾たる一漁村が世界的の横濱となったのにつれて本店も発展した。商略は奇策を弄せずして堅実に往々として進んだので、随って特記すべき程の事も無い、以前から金銀陶器象牙漆器などの美術品を販賣してゐたのであるが、近頃は重に金属類で中にも装飾品携帯品などが得意である。其他食器花瓶置物もあるが重に外國向けであって、好く捌けるのが化粧品食器盛花器等で卸小賣直輸出もやる。工場は東京横濱の二ヶ所にあって是等の需要に應じてゐるのである。店主大關貞次郎氏は嘗て市會議員商業會議所議員等の名誉職に就かれたが、今は金属品商組合役員に選ばれゐる。氏の商店から出て現今立派な美術店を營業してゐる者、或は後援に依って盛大になった七寳工場などがある。」実業之横浜 

貴金屬美術工藝品商 大關貞次郎「貴金屬美術工藝品を主として外客の重望を博し、信用最も確乎たる武藏屋商店大關貞次郎君は開港同時の開店にて斯業の老舗として其名海外までも聞ゆ、橫浜東京の二ヶ所に工塲を有し、多年の經驗と信用とは同業中一頭地を抜きて優良の品、低廉の價無比の稱あり、君硬直にして穩健曾て市會議員商業會議所議員として、現に金屬品商組合役員として、輿望を負ふ所甚だ厚し、」横濱成功名誉鑑

實業之横濱

murray

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