藤田屋田村室内品商店 太田町

横浜市商工案内

藤田屋　田村商店

室内装飾品商

太田町１丁目１１番地

明治の横浜手彩色写真絵葉書

「室內裝飾品商　田村商店　藤田屋號田村商店、敷物、窗掛、卓子掛、諸毛布等あらゆる室内装飾用布帛を輸入販賣する老舗である、其開業年度最も久しく内外人の信用も頗る厚いが、大黒柱として動かぬ根さしを握れる老媼がある、田村廣子刀自は則ちそれで、文久三年良人傳兵衛氏と共に上州高崎より来り、斯業を始めたるが、間もなく未亡人となられた、長男忠次郎氏も早世し、 次男鶴次郎氏幼なれば、自ら親權を振て複雑なる業務を處理し、店員を指揮して益々業務を擴張された、明治卅三年一族の合名組織とし、女婿田村紋吉氏及び鶴二郎氏を其社員たらしめた、刀自は本年七十三歳の高齢であるが、耳目もほ壯に自ら進んで店頭に立ち百般の任務にある様は壮者は勿論男子も後へに瞠若するといふは感ずべき至りである、又會社組織以來は歐米雑貨の輸入卸賣をも兼營し、紋吉氏は現に西洋小間物引取商組合の頭取を勤めて居られる、」横浜成功名誉鑑

田村鶴次郎「室内装飾品として調法なる品類何一品整はさるなく且價格も低廉にして市内有数の店舗なり況や其品質の優良なるに於てをや」京浜名家職業総覧