溝呂木美術商会 山下町

和英横浜案内
溝呂木商會
新古美術品及絵葉書販売
山下町12番地(2200)
横浜 手彩色写真絵葉書 図鑑

「商會主は溝呂木謙三氏であって明治卅九年に山下町七十四番館に開店し其後廿二番館に移り一昨年十二月から現在の十二番館で営業を始めたので、新古美術品を販賣してゐたのであるが、昨年東京寳石株式会社から内国産寳石の横浜一手販賣を委託されたので盛んに發賣してゐる。同會社の鑛區は福島縣河沼郡寳坂村字寳川にあって二十萬坪の地積を所有してゐる。今を去る廿年以前に丸山長渡氏が採掘にに従事したが結果が悪いので中止したのを現今同社の支配人である松岡準吉氏が、四年以前に三ヶ月間の野宿探検をして発見したので既に得たる寳石はオパール、ノーブルオパール、ファイアオパール、トーパス、ゴールドトパス、スモークトパース、ホワイトサファイアニメラルド等であって、其外珍奇なる寳石も發見したさうである、一體オパールといふ寳石は何か凶事のある時は必然曇りを生ずるので不吉な寳石としてあったが、輓近独逸あたりではそれが却って實用的であると、持て囃される様になった、と云ふのは、大體オパールは硬度が低いので瓦斯、脂肪などの接觸の爲に心身の變動を前知する事が出来て、凶事を未然に防ぐ事が出来ると云ふのにある。で、装飾的實用品といふ譯で以前に引換へて非常に愛用されるさうだ。」実業之横浜

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