見晴ししるこ
汁粉
宮崎町32番地
明治の横浜手彩色写真絵葉書
見晴ししるこ 川本富太郎「羽田の靄、本牧の霞、朝な幕なの景色晝にも優りて美しく、艨艟の浮ぶは動るきなき島根にやあらむ小舸の馳するは秋の木の葉よりも軽し、夜に入れば無敷の燈火疑ふらくば満天の銀河一斉に落下し來る、此の壮観異彩を擅にするは實に見晴亭上の眺なり、亭には名物の汁粉ありて客に供する器物の輝味を帯びたるは尺素往楽の古事をも偲ぶべく信濃善哉の雅味は實に天下獨歩と稀せらる、其外需に應じて調理する磯の鮎は流石自慢の風味あり、此の形勝を占むる亭の主人は川本富太郎君で東京の生、父祖以来陶器師なりしも、明治十六年来該業に轉じて野毛山名物の汁粉店となれるなり」横浜成功名誉鑑
0 件のコメント:
コメントを投稿