清風軒茶舗 元町

清風軒 津久井政太郎
茶舗
元町3丁目115番地
明治の横浜写真手彩色絵葉書

「清風軒茶舗 津久井政太郎 明治元年故郷の甲州を後にして横濱に來り製茶賣込商の店員となりし津久井政太郎君は、製茶一般の仕事を呑み込むに及んで福富町三丁目に製茶卸賣店を開けり、されど時運は君の身に合はず相場の變動により一たび挫折の不幸に遭へり、其後砂糖商に轉ぜしが是又不結果に了れり、川育は川といへる古諺も思ひ出され再び茶商に逆戻して、明治七年前田橋通の元町三丁目に茶舗を開けり、前の失敗に多大の經驗を積みたると、當市の戸数繁殖して大に需要を増加せしと、飽く迄誠實に顧客に對せるの三要素によりて終に衰運を挽回し、日に増し繁榮に繁榮を加へて堂々たる店舗となれり、君質性温順にして寡言、親ら店頭に座して顧客に接し、頗る丁重に待遇せらる、されば現今は同業組合の理事を勤め、元町方面にては斯業の老舗として世人知らざるものなしとは又一大成功ならずや」横濱成功名誉鑑

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