横濱取引所商報 |
安西商店
蠶絲貿易商
本町2丁目34番地(65)
横浜 手彩色写真絵葉書 図鑑
安西徳兵衛「全国に生糸の取引を有し船便毎に外邦へ輸送する實に莫大なりとす其集積の貨物多きを以ても知るべきのみ」京浜名家総覧職業
生絲界の耆老 安西德兵衛「我國會社として蠶絲直輸の嚆矢たる二本松製絲工塲は實に安西徳兵衛君が小野組及其鄉友と共に創設せられしものなり、君は福島縣二本松の人、幼にして朴直重厚頗る群童と異に、郷黨の重ずる所となる、明治三年橫濱に來り小野組に入る、明治六年以來專ら製絲會社の爲に盡瘁し、或は直輸出を企畫し、或は賣込に從事せしが、明治十八年不幸にして會社解散の悲運に會し、同年七月自から店を辨天通一丁目に開き、廿九年十二月現在の本町二丁目に移轉し、商運次第に發展し販路大に增進し、本港生絲商中屆指の巨店に數へら るるに至れり、明治四十一年店規を合資組織に改め、宏壯なる三層樓を新築し、令息直藏氏をして業務擔當社員たらしめ、十八年來勤續せる今泉卯吉氏を代表社員とし、君は單に一社員の資格を以て本牧十二天の別墅に閑日月を樂しめり、君が開港以來一意生絲輸出に盡くせし功勞は世人の普く知悉せる所、今更喋々の言辭を弄するを俟たず、 又公共方面には曾て蠶絲及羽二重の同業組合役員を始め、市會議員及商業會議所議員として永く實業界の重鎮たり、現に又橫濱火災運送保險會社其他の重役として勢望あり、而かも今や古稀を過ぐる已に一齡、 後を有爲新進の俊才に譲りて橫濱隨一の勝地に餘命を托せらる、功遂げ名揚がりし高蹈勇退の耆宿、古人の面影髣髴たるを覺ふ、」横浜成功名誉鑑
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