大岡川村の景色
キャプションには横浜在大岡川村、near Yokohamaと記載されている。大岡川村は1911年にその一部が横浜市に編入し大岡町になるので、この景色は横浜市編入前の可能性が高い。絵葉書の時代を考え合わせると1906年から1911年の間だろうか。
次に写された景色を見てみよう、通りを挟んで右、左に鳥居があることに気がついただろうか、拡大してみると左の鳥居は特異な形状をしている。この形状の鳥居、どこかで見たことがあると思っていたら、別の大岡川村の絵葉書に大きく写っていた。キャプションには大岡川村鎮守と記載があるので同じ鳥居で間違いないだろう。
ではそのキャプションにある大岡川村鎮守とはどこであろうか。大岡川村は12ヶ村が合併してできた村で、もともと各村に村社があったのだがさらにその村社を代表する大岡川村の総鎮守が存在したのか。今のところそのような資料を見つけることができていないため場所を特定できずにいる。もちろんキャプションの記載が誤りの可能性もある。
ここからは想像の域になるが2つの絵葉書どちらとも大岡川村の村っぽさ、昔の風景を主題としている。どこか特定の地を目指したのではないと考えると、日枝神社からそう遠くない街道沿いの杉山神社(蒔田村)か若宮八幡宮(下大岡村)あたりではないか。道すがら見つけた大岡川村らしい景色、街道から左に神社とすれば若宮八幡宮付近であろうか
横浜 手彩色写真絵葉書 図鑑
・明治22年に大岡川村を設立(下大岡村、堀之内村、井土ヶ谷村、蒔田村、弘明寺村、永田村、引越村、中里村、最戸村、久保村、別所村、上大岡村を合併し大岡川村に)
・明治44年に大岡町を設立(下大岡、堀之内、井土ヶ谷、蒔田、弘明寺を横浜市に編入し大岡町に)大岡川村は残る
・若宮八幡宮(下大岡村)、子之神社(堀之内村)、住吉神社(井土ヶ谷村)、杉山神社(蒔田村)、神明社(弘明寺村)→若宮八幡宮、春日神社(永田村)、糸縄神社(引越村)、熊野神社(中里村)→若宮八幡宮、青木神社(最戸村、久保村)、白山社(別所村)、鹿嶋神社(上大岡村)
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